10年ぶりに映画化された「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」の最新情報を追いかけるニュースサイト。
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完結編「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」は2020年6月27日公開予定。



庵野秀明 幸福を求めて 月刊ニュータイプ95年4月号

(掲載イラストは山下いくとと貞本義行のイメージイラスト。
 放送半年前の特集は前代未聞の快挙だとか。)

われわれがガイナックスを訪れたのは1月下旬。すでに新番組「新世紀エヴァンゲリオン」の制作は1、2話の作画作業の大詰めに入っていた。この取材の最初に、

「ロボットアニメなんて、もう時代遅れだと思いません?」

と庵野秀明は言った。これは刺激的な発言だ。20年以上もの歴史を持つロボットアニメは、確かに新鮮なジャンルとはいえないだろう。だが、そう思っている彼が、ロボットアニメに企画から参加し、監督をするのはなぜだろう。

「玩具会社がスポンサーにつかないロボットアニメを、テレビでやるのもいいなと思ったのも理由のひとつです」

メカのデザインなどに口を出すスポンサーがつくのなら、この作品はやらなかったと言う。そして

「ロボットアニメがパターンにはまっているから、それを壊したかったのかな」

とも語る。当たり前になっている玩具会社とのタイアップでつくられるロボットアニメとは、全く違ったスタンスでフィルムを作ろうとしているのだ。
もともと、気負った気持ちでスタートした企画ではなかったが、実作業を始めてみると、かなり“ガチガチで重い(※ハードでヘビーな、とルビ)”ロボットアニメになってきているという。
ところで、この作品にかかわりながら彼は次のようなことを考えているのだ。

「たとえば、20歳を過ぎてロボットアニメや美少女アニメが好きな人間って、本当に幸福なんでしょうか。もっと大きな幸福があることを一生知らないですめば幸せかもしれない。だけど、僕はそんな幸福に疑問を持ってしまったんです」

ロボットや美少女が好きなアニメファンには、ドキッとする話かもしれない。
主人公の碇シンジはオタクとして描かれることはないが、自分から周囲に積極的に働きかけることをしない、主体性のない少年と考えられている。

「この作品をつくりながら、そんな人間にとっての幸福ってなんなんだろうって考えてみたいんです」

もちろん、それは作品の中でドラマとして語られていくはずだ。どうだろう。ちょっとワクワクする話ではないか。また彼は、こんな話もしてくれた。

「まだ完成していないんですが、1、2話は最近の自分の“気分”が忠実に反映されたフィルムになりそうなんですよ。それに気がついたときに『ああ、よかったな』と思いました」

それは彼自身の内面と、彼のつくっている作品の距離がかなり近いということだろう。これもまた興味深い話だ。

「『ナディア』よりも、カルトな作品になると思いますよ、こんな“気分”の作品はまずないでしょうから」

と彼。その“気分”とはいったいどんなものなのだろう。やはり、「エヴァンゲリオン」で、アニメファンは今まで見たこともない作品に出会えるのではないだろうか。そんな、予感がする。

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2007/12/14 03:57 (Fri)
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