10年ぶりに映画化された「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」の最新情報を追いかけるニュースサイト。
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完結編「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」の公開日は2017年以降を予定。





音楽が証明する「新劇場版ヱヴァ」のくり返す物語

破の公開から一ヶ月が過ぎた。そろそろ本編の内容に触れてもいい頃だろう。

今日サントラを聴いていてある事に気が付いた。エヴァの深いファンには今更と思われるかもしれないが、劇中挿入曲「翼をください」サビのコード・低音ベースの進行が「パッヘルベルのカノン」と同じなのだと。

曲の始まりから終わりまでずっと同じ進行で「くり返す」のがカノンの特徴で、エヴァを語る上で庵野監督には何か確信的な大きな意味がありそうだ。(因みにパッヘルベルのカノンは旧作のサントラ「EVANGELION:DEATH」に収録されている。「進行が同じ」というニュアンスがピンと来ないヒトは、「翼をください」のサビでカノンの旋律を一緒に口ずさんでみて欲しい。全く違和感なく馴染むはずだ)

新劇場版を公開する前に、作品について庵野監督はこのように触れていた。

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これは2006年秋に発表された庵野監督の表明の一文である。エヴァはくり返しの物語です、とハッキリ言っている以上、カノンの進行を持つ「翼をください」の採用に監督が演出的なこだわりを持っていることは間違いない。

では具体的に何が「くり返して」いるのか?という事になるが、それは多くのファンが考えている通り、新劇場版を見るとエヴァの世界そのものがループしているような印象を覚える。渚カヲルの序・破ラストにおけるそれぞれのセリフは、ループ説を唱えるファンを生み出した原因だろう。

もう一つ、部分的にくり返している箇所もある。どちらかと言うとこちらが今日の本題だ。
「翼をください」が破の劇中でかかったパートは、覚醒した初号機と綾波の融合によってサードインパクトが起ころうとしている圧倒的なシーンでの事だった。しかし旧来のファンはこれと同じような体験を、実は過去にしていた。それは「THE END OF EVANGELION」でサードインパクトが起こり人類が補完されていくクライマックスシーン。あの場面でかかった劇中曲「Komm, susser Tod(甘き死よ、来たれ)」でもカノンのコード進行は採用されている。どちらも感覚的に「気持ちよくなる」聴き触りが意識的に用意されているため、世界が崩壊しようとしている破のクライマックスでも視聴者は「これで良かった」とシンジが言うとおりの印象を、作り手から誘導されていることになる。

旧エヴァで起こってしまったサードインパクトが「破」でくり返そうとした時、初号機を槍で貫いた渚カヲルによって、結果的にサードインパクトは防止された。あえて旧作のストーリーをなぞってきた新劇場版の時系列に「ズレ」が生じた瞬間である。ストーリー上は「8話から19話まで」と謳っている破ではあるが、俯瞰で見ると既に旧エヴァのラストまでまとめて描いているという事。


次回作「Q」でヱヴァが進む道は、なぞりようのない完全な荒野。いよいよサードインパクトの「その先」が見られるはずだ。テレビアニメの総集編映画が「いかに新作映像が増えるか」という事ばかりクローズアップされる昨今だが、そんなこだわりが馬鹿らしくなるほど何もかも新しいエヴァを、庵野監督たちはきっと魅せてくれるだろう。

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2009/07/30 01:09 (Thu)
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